メーリングリストより、りょうさんの投稿をご紹介します。
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先日ちょっと話題になった(笑)谷田川惣ですが、皇統問題について「皇統は万世一系である」という本を出しています。
この本の第1章のタイトルは「一夫一婦制で男系継承は可能」となっており、以下の趣旨のことが書かれているのですが、この主張が変なのでここで反証しておきます。
・一組の夫婦から男子が誕生する確率は50%ではない。出生率が2~3であれば、男子が誕生する確率は75%~87.5%。仮に出生率2で4宮家という計算では、まったく男子が誕生しない確率を出すと、0.5の10乗で0.00098つまり0.1%未満となり、皇室でまったく男子が誕生しない可能性は極めて低い(筆者注:正しい計算は0.5の8乗)。
・皇室において同世代に8人連続で女子がご誕生されたが確率でいうと256分の1(0.3%)で、0.3%でしか起こりえないことが起きてしまった。しかしそれでも尚、その後悠仁親王殿下という次世代の皇位継承者を確保できている。傍系の宮家を充実させれば男子は十分確保できるのである。
宮家を充実させれば男子は十分確保できるというこの説明は、本当なのでしょうか?
ここには、引っ掛けがあります。
確率の値は何十回、何百回と試行回数を増やすことで理論値に収束しますが、試行回数が少ない場合、確率は理論値から乖離しやすくなります。
例えば、サイコロで1が出る確率の理論値は16.7%(=6分の1)ですが、何度ふっても1ばかり出る、あるいは1回も1が出ないということは経験したことがありますよね。
確率が16.7%というのは何百回とふって振り返った時の話で、ふる回数が少ないと、1が出る確率が16.7%より高くなる、あるいは低くなるという結果は起こりやすくなります。
つまり、仮に出生率2で4宮家という条件で男子が全く誕生しない確率が谷田川の説明のようになるのは何十世代、何百世代と繰り返した場合の話であって、ある世代で男子が全く生まれない可能性が理論値よりずっと高くなるケースは十分想定されるのです。
サイコロであれば何度でも振りなおすことができますが、皇室は皇位継承者が生まれなければそこで終わってしまいます。
やり直しのチャンスはありません。
谷田川は、こんな簡単な数学も分からず、宮家を充実させれば男系男子に限定しても皇位は継承できると主張していたわけです(あるいは、分かっていて不誠実な説明をしているのか)。
男系固執派は、やっぱり論理が破綻しているわ!
ところで、この本の表紙の画像を見てください。
うおー、よしりん先生の名前を使った商売!デジャブだなあ。